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    東と西の兄弟 第1部 第5章 サヨナラの前に

    • 2012.03.12 Monday
    • 21:56
    本日、KONOHA's Writing Roomは開設1周年を迎えました!!いや〜、よく続いたもんだ。最近は放置が続いてしまっていますが、こうやって1周年を迎えられたのも、足を運んでくださっている皆さんのおかげです!!本当にありがとうございます。今後とも、よろしくお願いします。

     さて、東と西の兄弟、第1部最後のお話は、にーさんの別れの挨拶悪友編です。悪友たちによる、悪友たちらしい、にーさんとのお別れに物語になっているかな〜と思いますので、どうぞ、お楽しみに。
    では、以下注意書きでやんす〜。

    ・ヘタリア二次創作です。

    ・東西設定を使っています。

    ・腐向けではありません。

    ・史実ががっちりからみますが、作者の妄想もがっつりはいってきます。ご了承ください。

    ・作者は、戦争を賛美するような思想の持ち主ではありません。

    ・誹謗中傷コメントなどは絶対にしないでください。

    では、物語をお楽しみください。




         東と西の兄弟 第1部 第5章 サヨナラの前に
    1946年、5月。プロイセンが、東としてロシアのもとに出発する前々日。彼の悪友であるフランスとスペインは、ささやかな送別会を催した。
    「本当に、明後日でいいのか?もう少し引き伸ばしてもいいんだぞ?」
    「かまわねえって。もうヴェストにも言っちまったしな。」
    フランスの申し出に、プロイセンは苦笑して首を振った。自分のロシアのもとへの出発は、もう引き延ばせないほど引き延ばされていることを彼は知っていた。これ以上の延長は、自分の、ひいては弟であるドイツの立場をさらに悪くしてしまいかねない。
    「ドイツには、もう言ったんか?」
    いつも明るいスペインも、この日ばかりは表情が暗い。
    「ああ、昨日な。すごかったぜ〜、もう泣きっぱなしでよ。『どうして兄さんが行かなければならないんだ、行くならおれが行く』って、聞かなくてよ。でもま、もともと、あっち側に東プロイセンもあったし、俺自身東部戦線にいたからな。俺が行ったほうが話が早く済む問題が多い。そう言ったら、しぶしぶだけど納得してくれたよ。さすが俺様の弟だぜ〜。」
    ケセセっと、いつものように笑ったプロイセンに、スペインは静かに問いかけた。
    「お前はどうなん?それでええと思てるんか?」
    「言いも悪いもねえ、こうするしかねえんだよ。敗戦国に選択肢なんかねえってのは、常識だろ?」
    そう答えたプロイセンに、スペインは詰め寄った。
    「おれが聞いてるんはそんなこととちゃう!お前は、ここに、ドイツを1人にしてもええのか聞いてるんやっ!!」
    「やめろよ、スペイン・・・!」
    フランスがなだめるが、かまわずスペインは続けた。
    「お前が意識不明で寝てる間な、ドイツ、うわごとでずっと、ずうっとお前のこと呼んで、謝ってたんやで!『すまない、すまない』って、泣きながら謝ってたんやで!
    半年前に、やっと会えて、一緒に、こないだ退院したばっかりで、まだドイツかてちゃーんと治ったんと違うのに、お前が、まだまだ必要なのに、またあいつのそばから離れるんか!?そんなん、おれは許さへんで!?」
    プロイセンは、いつものけたたましさが嘘のように、何も言わない。スペインはさらにまくしたてる。
    「おれが、ロマーノが統一して、おれんとこ離れる時止めへんかったんはな、あいつは自分で、イタちゃんと暮らしたいって思うて、自分で戦って統一していこうとしたからや。けど、お前はそうとちゃうやろ!?こんな、わけわからんリンチみたいな上司の都合で、兄弟引き離すなんて、そんなあほなことがあってええんか、ええわけないやろう!?なのに、なんであきらめてんねや!!今、ドイツが立ち上がるために必要なんは、アメリカでも、イギリスでも、おれやフランスでもない、お前や!お前は、そんなこともわからんようになってしもたんか!?だとしたらお前相当のおばかちんやで―――」
    「わかってんだよそんなことはよ!!」
    突然、プロイセンはスペインの胸倉をひっつかんで怒鳴り返した。その瞳には、彼に最も似合わないもの――涙が浮かんでおり、それを見てしまえば、スペインもフランスも何も言うことができなくなってしまった。
    「あいつが、俺をそばに置きたがってるのなんざ、百も承知だよ・・・でも、だからこそ、俺が、『東』になんなくちゃなんねえんだよ・・・!
    俺が、今まで通りそばにいてみろ。また、俺の存在を利用して、戦争起こそうなんて考えを持つやつがいるかもしれねえしっ・・・そうじゃなくても、俺が――『プロイセン』が『ドイツ』を、今回の凶行に導いたとか言われてんだ、俺が、そばにいることで、あいつの信用が無くなるかもしれねえだろ・・・?そうなったら、『ドイツ』はおしまいだ。
    でも、俺がそばにいなければ、そんな馬鹿な了見起こす奴だって少ないだろうし、まわりのやつらにだって、少しは信用してもらえるかもしれねえじゃねえか。」
    だから、俺は『東』にならなければならないんだと、プロイセンは時折しゃくりあげながらくり返した。
    「せやかて、もし、お前が向こう行ってる間に、ドイツがどうかなってしもたらどないするんや?あいつ、このままやと気が狂いかねんで?」
    スペインが、目を伏せながら言う。
    「・・・ねえよ。」
    「え?」
    「んなことには、絶対にならねえ。」
    プロイセンは、涙をぬぐって続けた。弱々しかったが、口元には不敵な笑みまで浮かべて。
    「あいつは、この俺様の弟だぜ?こんなことぐらいで潰れるような奴じゃねえ・・・俺は、そんな風にあいつを育ててねえ・・・!」
    それは、スペインとフランスに言っているというよりも、己に言い聞かせていると言ったほうが正しかった。

    そのまま、嗚咽をかみ殺そうとして、でも出来なくなってしまったプロイセンに、フランスはハンカチを差し出した。
    「ほら、プロイセン泣くなって。そのままだと、目え腫れ上がるぞ?」
    「フランス・・・」
    「お前が向こうに言ってる間は、ドイツのことは、おれたちがちゃんと見てるから。な、スペイン?」
    スペインも、笑顔で応じた。
    「ああ、もちろんやで!なにせ、おれは親分やからな!年下の面倒みるんは得意分野やでえ〜」
    「あ〜ら、おれだって世界のおにーさんだから、そういうのはお手の物よ〜。」
    「お前ら・・・。」
    プロイセンは涙でぐしょぐしょの顔のまま、軽口をたたきあう2人を見つめた。
    「だから、そんなに泣かんでもええって!ドイツがまた心配すんで?」
    「あいつになんかあったら、おにーさんたちがなんとかしてお前に伝えるから、ね?」
    プロイセンは、ようやく笑みを浮かべた。
    「danke・・・スペイン、フランス。」
    「ええよええよ。今日はおれかて、お前にひどいこと言ってもたしな。」
    「そうそう。だって、そろってオーストリアにケンカ売った時から俺たちはお前の『悪友』なんだから。いざとなったら共同戦線はるのなんて、当然でしょ。」
    「うう〜、柄にもなくしめっぽくなってもたわ〜。よっしゃ、2人とも飲みなおすで!フランス、ワイン新しいん開けんで!!」
    「了解了解っと。プロイセン、お前も飲むだろ?」
    「・・・ああ!」
    プロイセンは、いつものように明るく答えると、手に持っていたハンカチで涙をふき、ついでに鼻をかんだ。それを見たフランスが悲鳴を上げる
    「ちょちょちょ、ちょっとプロイセン!!」
    「な、なんだよ?」
    「なんだよじゃねえよ!お前人のハンカチで鼻までかむふつう!?しかもそれ高かったんだからね!!」
    「あ〜、わりいわりい。あとで洗って返すからよ。」
    「そーいう問題じゃないでしょ!!あー、これだから美を解さない奴ってやなんだよねえ〜。」
    「ほれほれ、なに言ってるん?ワインついだで、はよ飲もうやあ〜」
    スペインは相変わらずマイペースだ。そのペースにのまれ、2人はワイングラスを手に取った。
    「せっかくやし、なんか乾杯しよか?」
    「いいね、なんに乾杯する?」
    「おれらの『友情』と・・・『再会』を祈って、なんてどうや?」
    「悪くねえな!」
    「いいんじゃないの?」
    フランスとプロイセンがうなづき、3人はワイングラスを高く掲げた。
    「それじゃ、俺たちの『友情』と――」
    「『再会』を祈って――」
    「「「乾杯!!!」」」
    軽やかな音が、部屋に響き渡った。

    そして、その2日後。
    プロイセンはロシアとともに旅立った。

    彼は、最後まで『彼』だった。

    「行かないでくれ」と泣いて懇願する弟をなだめ、励ましていた。
    出発するときには見せしめのためか手錠までかけられたというのに、まるでちょっとそのへんに散歩に行ってくるような調子で、人目もはばからず泣きじゃくるドイツ、ふてくされたようなアメリカ、何か言いたげなイギリス、そして、極力いつも通りを保とうとしているフランスに対して、笑って言った。

    「んじゃ、ちょっと行ってくるわ。」

    そして、振り返ることなく、ロシアとともに歩いて行った。
    プロイセンの姿が豆粒ほどになったとき、振り返ってみたフランスは、彼が天を仰いでいるように見えたが、そのことは見なかったことにした。



        −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
    大変長らくお待たせいたしました!!!『東と西の兄弟』、第1部最後の物語です。

    私の中で、悪友のお別れを考えたところ、親分は怒りそうだなあ、おにーさんはどうにかしてやりたいけどどうにもできない、みたいな感じになりそうだなあ、と思ってこんな物語ができました。いかがだったでしょうか?

    さて、次回はガラッと作風を変えて、いつもの奴らが先生になっちゃった!?なお話、『W小学校職員室日誌』をお送りしたいと思います。本当はこの間の土曜日からスタートさせる予定だったのですが、諸々の事情で伸びてしまってすみません(笑)。

    では、そちらもお楽しみに!!

    本日、卒業式でした。

    • 2012.03.01 Thursday
    • 23:25
     どーも、なんかごぶさたしてしまってすみませんなコノハです。最近、ちょっと前からキテるなあ〜と思っていた忍たまにどっぷりはまってしまいまして・・・こっちがすっかりおろそかになってしまいました、すみません。
    最近、上級生が出てるんだって?みたいなことは知ってたんですが、忍たま好きの友人の影響で今ではすっかりほとんどの学年を覚えてしまいました。ちなみに、好きなのはもっぱら5,6年です(笑)。

    ということもありましたが、始めた連作はキチっと完結させるつもりなので、そこらへんはご安心ください。

    さて、題名にも書きましたが、今日は卒業式でした〜。いや、実は私はけっこう泣き虫なほうなんですが、今まで卒業式で泣いたことってそんなになかったんですよ。でも、なんか今回はボロボロ泣いてしまって・・・クラスで一番進学先が遠いからでしょうかね?
    担任の先生と写真とったり、部活のメンバーで写真撮ったり、とにかく卒業生って忙しいんだなあ・・・と思ったりもしました。
    そのあと、クラスのみんなでお食事会(バイキング)に行き、人生初のチョコレートファウンテン(チョコレートフォンデュが滝みたくなるアレです)をしたり、今まで遊んだことのなかったクラスメイトたちとプリクラしたりして、すっごく楽しかったです。
    私の通っていた高校は、みんな部活に力を入れていた学校なので、友達と休みに遊ぶ・・・というのは滅多になかったので、なんだか今日は3年分遊び倒したような気分になりました。

    高校に入学した時は、まさかヘタや忍たまにはまって、二次創作したりメイト通いしたりブログ作って作品発表するなんて考えてもみなかったし、それ以外にも予想外なことが大量発生な3年間だったけれども、いろんな人に出会えたし、自分の思ってもいなかった面(オタクなこととか?)に気付けたりして、とても有意義な3年間だったなあ、としみじみ思います。好きなマンガの主人公のセリフに、「アクシデントを楽しんで人生を面白くする」というのがあったけれど、それって本当だなあ・・・と、最近特に思うようになりました(アクシデントとはちょっと違うかもだけだ)。本当に、何が起こるかわからないけど、でも、毎日が楽しいです。

    来月からは、京都で新しい生活が始まるわけですが、またいろんなことを楽しめたら、と思います。

    東と西の兄弟 第1部 第4章 別れの歌

    • 2012.02.18 Saturday
    • 21:49

    第4章と次回第5章は、にーさんの別れの挨拶の物語で、今回が貴族、次回が悪友となっております。今回の物語は、水と油な昔馴染みの、彼ららしいお別れの物語です。 
    では、毎度おなじみ注意書き〜。

    ・ヘタリア二次創作です。

    ・東西設定を使っています。

    ・腐向けではありません。

    ・史実ががっちりからんでいますが、作者の妄想もがっちりからみます。苦手な方はご注意ください。

    ・誹謗中傷コメは絶対にしないでください。

    では、物語をお楽しみください^^。    





         東と西の兄弟 第1部 第4章 別れの歌
     オーストリアは、黙って話を聞き終えると、手に持ったまま冷めきっていたコーヒーを一口、口に含んだ。
    午後のコーヒータイムをとろうと思っていたら、いきなりプロイセンが「話がある。」と訪ねてきたのだ。人の顔を見ればなにかと子供っぽいちょっかいをかけてくる彼が、いつになくまじめな表情をしているものだから、何事かと思って聞いてみれば、ドイツの分割統治の件で、ソ連側が統治している東側区域の代表として、ロシアのもとへ行く、しばらくは帰れないだろうから、こちらへ残していく弟――ドイツのことを頼む、とプロイセンは出されたコーヒーに一口も口をつけないままそう言った。
    プロイセンは、黙ったままじっとこちらを見つめてくる。それは、まるで判決を待つ罪人のようだった。
    「――いいでしょう。あの子のことは引き受けました。」
    そう言って目を上げれば、プロイセンは驚いたようにきょとんとして、こちらを見つめている。
    「何か不満なのですか?」
    「いや、別にそういうわけじゃねえけどよ・・・」
    「ではなんです?」
    いつになく歯切れの悪いプロイセンに、オーストリアは不満げに眉を寄せた。
    「止めねえんだな、と思ってな。」
    「止めてほしいんですか?」
    「そうじゃなくて、今までの誰とも、反応が違ったからよ。まあ、ロシアはともかくとして、アメリカはいい顔しなかったし、日本とイギリスは表立っては止めなかったけど止めたそうだったし、イタリアちゃんのお兄様にはトマト投げられるし、ヴェストとイタリアちゃんに至っては大泣きされたしな。」
    あれはへこむぜー、かなり。そう言って彼は笑ったが、その声は乾ききっていて、自嘲的な響きを持っていた。
    あのドイツが大泣きするとは、予想していたより重症ですね、とオーストリアは心の中でひとりごちた。まあ無理もない。ただでさえ、彼は大戦が終わった直後、プロイセンの行方がしれなかったときに、その罪悪感から神経性胃炎になったくらいだったのだから。
    「貴方がそういう顔をしているときは、私が何を言おうと考えを翻す気なんかないでしょう。ならば、あなたの思うようにすればいいと思うまでです。」
    「はあ?なんだよそういう顔って?」
    「貴方があの子を・・・ドイツを『弟』にすると決めて、私に宣言した時の顔ですよ。」

    『あいつは・・・「ドイツ」は俺の弟として、この俺が育てる!!てめえなんかに任せられっか!!!』

    そう目の前でプロイセンが啖呵を切った日のことを、オーストリアは昨日のことのようによく覚えている。
    プロイセンはドイツの兄になってからというもの、そのすべてをドイツに捧げていた。富も、権力も、国土も、自分が今まで得てきた戦術の全ても。
    もともと、きちんとした国土を持っていなかったプロイセンは、領土を得ることに対して他の『国家』よりも貪欲だった。昔はそれをいやしいと思っていたが、今思えば、仕方のないことだったのだろう。自分たち『国家』にとって、国土とは己を形成する意義のなかで、最も重要であるといってもおかしくないものなのだ。
    だが、プロイセンはそれすらもあっさりとドイツに譲り渡した。そして、彼が『亡国」となることを決めた時、誰もが、それでいいのか、と尋ねた。お前は、それでいいのか、と。その言葉にも、プロイセンは笑って答えるのみだった。
    「いいんだよ。時代が望んだのは『俺』じゃない、『ドイツ』だ。あいつをこの世に存在させるためなら、俺なんかどうなってもいいんだよ。俺の存在意義は、あいつだ。」と――。
    そう、プロイセンは、何よりドイツのことを思って行動しているのだ。だから――
    「貴方が、ドイツのことを考えて決めたのなら、まあそう間違っていることはないでしょうから。反対するだけ無駄というものです。」
    そう返すと、プロイセンは何も言わずに冷めきったコーヒーをひと息で飲みほして立ち上がった。
    「んじゃ、俺もう行くわ。今夜、フランスとスペインが送別会してくれるんだっつーから。」
    「そうですか――あ、少しお待ちなさい。」
    いつもであれば、「さっさと帰りなさい!」とかなんとか言うはずなのに、今日に限ってオーストリアが呼びとめたのが不自然に思えたのか、プロイセンは首をかしげたが、足を止めた。オーストリアは近くの棚からレコードを1枚取り出すと、プロイセンに差し出した。
    「これを、持ってお行きなさい。」
    「これは・・・。」
    それは、プロイセンがいまだに敬愛するプロイセン国王、フリードリヒ2世が、もっとも好んで演奏したフルート協奏曲のレコードだった。
    「貴方に、貸しましょう。あくまでも貸すだけですからね!貴方がこちらに戻ってくるときに必ず返しなさい。言っておきますが、それはかなり貴重なものですから、ダメにしたら承知しませんからね!?」
    「・・・・・・いいのかよ?」
    「いらないなら、別にかまいませんよ?」
    「いや・・・Danke、恩にきる。」
    プロイセンは宝物を扱うように、大切そうにレコードを抱えた。
    「ああ、それから・・・」
    「まだあんのかよ!?」
    げんなりとした表情になったプロイセンを無視して、オーストリアは続けた。
    「あちらには・・・ハンガリーもいますから、彼女によろしく伝えてください。あと、あなたの彼女に対する態度はあまり良いものとは言えません。過去に何があったにせよ、もう少し彼女を女性らしく扱ってあげなさい。」
    「あいつの態度しだいだな、そりゃ。ま、とりあえず伝えといてやるから、俺様に深く感謝しとけ・・・じゃーな、坊ちゃん。」
    プロイセンはそう言って、オーストリアに背を向けて居間を出て行った。

    プロイセンが部屋を出て行ったあと、オーストリアは黙ってその場に立ち尽くしていたが、しばらくすると思い切ったように居間を飛び出した。階段を駆け上がり、2回の音楽室へ飛び込む。大戦末期の、度重なる空襲から運よく生き残った、愛用のベーゼンドルファーのグランドピアノのふたを開け、すぐそばの窓を全開にする。見れば、プロイセンは門へ向けて歩みを進めていた。
    ピアノの前に立ったオーストリアは、静かに目を閉じ、鍵盤に指を置いた。座っているような時間はない。楽譜を思い浮かべ、最初の一音を紡ぐ。外の彼に届くように、できるだけ、できるだけ大きな音で。彼が聴いていてくれることを願いながら。
    ショパンの「別れの歌」。恋人との別れがもとになった、悲しく、それでいて激しい曲想。この曲であれば、自分の思いを伝えられる。
    傷ついていない、はずがないのだ。だって、ドイツがプロイセンのことを想っているのと同じくらい、いや、それ以上、プロイセンもドイツのことを想っているのだから。どんなに強がっていようとも、ドイツと離れることは、彼にとって苦痛のはずだ。でも、プロイセンは絶対に、ドイツの、いや、自分たちの前でそんなそぶりは見せない。いや、見せようとしないのだ。たとえ、もしかしたらそれが永遠の別れになるかも知れなくても、プロイセンは笑って、弟に別れを告げるだろう。プロイセンという男は、そういう男だ。
    だからこそ、オーストリアはこの曲を選んだのだ。音楽でしか、感情表現ができない自分にできる、彼への、せめてもの慰めになればいい・・・そう願いながら、オーストリアはピアノを奏で続けた。

    最後の和音が部屋に響き渡り、「別れの歌」が終わった。オーストリアが大きく息をつくと、外から大きな拍手が聴こえてきた。どうやら、プロイセンは門を出ていなかったようだ。窓の外に目をやれば、プロイセンはまた門のほうへと歩き出したところで、そのままこちらを振り向かずに、ひらひらと左手を振った。
    その姿が不意に歪んで、オーストリアは自分が泣いていることに気付いた。
    「・・・まだ、私にもこんなものが残っていたのですね。」
    そうつぶやくと、また涙があふれてきて、たまらずオーストリアはその場に膝をついた。
    ――いつか、いつかまたあの、1人楽しすぎる、意地っ張りで、でもさみしがり屋で弟想いな昔馴染みのために、今度は、「別れの歌」ではなく、「歓びの歌」を奏でられることができるように。
    そう願わずには、いられなかった。



         ――――――――――――――――――――――――――――――
    以上、第4章でした〜。いかがだったでしょうか?鬱っぽくなる鬱っぽくなる言いながら、あんまりならなかったな〜と書いてみて思っています。

    にーさんはお別れの仕方も用意周到というか、彼らしいやり方で進めました。『東』として六様のところへ行くことを伝えた順番は、ろっさま→メシマズ(世界のおにーさん)→マカロニ兄弟、祖国→√→貴族→悪友です。ろっさまに先に言ったのは、退路を断ってしまうためです。√に伝えた時には、もうすでに、なにがなんでもにーさんが行くしかないような状態になっていました。自分で考えてて、なんという策士なんだと思いましたよ、さすがに(笑)。

    さて、いよいよ次回が第1部最後のお話になります。お楽しみに〜!

    風邪をひきました

    • 2012.02.14 Tuesday
    • 11:28
     なんかのどいて〜とか思ってたら風邪ひきました。なんてこったい!
    来週には登校日やら予餞会やら友人がたとの卒業旅行(夢の国の隣の夢の海に行きます)があるので、ちゃっちゃか治したいもんです、まったく。
    みなさんも風邪には気を付けてくださいね〜、巷ではインフルエンザを流行ってるようですから。

    では、今日はこの辺で。


    うおっと、忘れとったい!
    1日遅れちまいましたが、親分、お誕生日おめでとうございます!!お話とかはあげられないんですけど、次の次の連作の話が、親分とかがメインになる回なんでそっちをお楽しみにしていただければ幸いです。

    では、連作の執筆に取り掛かりますか!!

    東と西の兄弟 第1部 第3章 1945年のFrohe Weihnachten

    • 2012.02.11 Saturday
    • 16:32

    新しいPC、「シュヴァルツ・アルダー」(名前です)にも慣れてまいりました。
    そういえば、今日は我らが祖国様のお誕生日でしたね。実にめでたいです。白米食べて(朝も昼もパンだったので)、お祝いしましょうかね。

    さて、東と西の兄弟、いよいよ第1部の折り返し地点、3章に突入します。予定通りいけば、今月いっぱいかけて第1部を終わらせる予定なのですが、この分だと予定通りになりそうでほっとしています。
    では、以下注意書きです。


    ヘタリア二次創作です。

    ・東西設定を使っています。

    ・腐向けではありません。

    ・作中で、日本の原爆のことなどに触れることがありますが、政治的意図や中傷などではいっさいありません。そのようなコメントはしないでください。

    ・誹謗中傷コメントはしないで下さい。

    ・史実もがっちり絡みますが、作者の妄想もがっつり入っています。ご了承ください。


    大丈夫ですか?では、第3章始まり始まり〜



         
         東と西の兄弟 第1部 第3章 1945年のFrohe Weihnachten

     世界中を巻き込んだ大戦が終わった年のクリスマス。ドイツは、読書を中断して、薄曇りの空から舞い落ちる雪を、フランスはアルザスにある小さな教会附属病院の病室からぼんやりと眺めていた。どうやら、今日はホワイトクリスマスになりそうだ。
     見舞いに来ているイタリアが、窓辺に置かれたポインセチアの鉢植え――先日、アメリカが持ってきたものだ――に、コップで水をやりながら、なにかいいことでもあったのだろうか、鼻唄を歌っている。
    「・・・ずいぶんと、楽しそうだな。」
    声をかければ、ハッとしたようにイタリアが振り向いた。ふよん、と1本だけ飛び出ている髪の毛がゆれる。
    「ごめんね、うるさかった?」
    「いや、別にそういうわけではないが・・・何かいいことでもあったのか?」
    「ん〜、そういうわけじゃないけど、だって今日はクリスマスでしょう?なんだかウキウキするじゃない。」
    そう言ってイタリアは、ふにゃり、と力の抜けたような笑みを浮かべたので、つられて、ドイツも小さな笑みを浮かべた。イタリアが楽しそうに続ける。
    「今日はねえ、ドイツにとっておきのプレゼント用意したんだよ。」
    「とっておきの?何を用意したんだ?」
    「ヴェ〜、それはプレゼントをもらってからのお楽しみだよ〜。」
    いたずらっ子のようにイタリアが笑った時、病室のドアがノックされた。
    「イギリスだ。入ってもいいか?」
    「ああ、かまわない。」
    ドイツが応えると、静かにドアが開いてイギリスが入ってきた。イタリアがピクッと震えたのは、まだ敵対していた時の名残が抜けないのだろう。
    「よお、ドイツ。調子の方はどうだ?」
    「ああ、まずまずといったところだな。わざわざすまない、こんな所へ足を運んでもらって・・・」
    ドイツがそういうと、イギリスは肩をすくめて言った。
    「気にすんな、任務のうちだ――ああ、そうだ。今日はお前らにいい知らせがある。」
    イギリスの言葉に、イタリアもまっすぐに彼を見る。
    「日本のことだが、年明けには退院できるそうだ。お前らに心配かけて悪かったって言ってたぞ。」
    「本当なの、イギリス!?」
    「ああ、今日の朝、向こうからの通信で聞いたからな。」
    「よかったねえ、ドイツ!!」
    「ああ、本当によかった・・・!」
    イギリスが病室にきてから固まりがちだった2人の表情が、ほっとしたように緩んだ。
    日本は5月にドイツが降伏してからも1人で戦い続けたが、8月、アメリカに新型爆弾を落とされたことがきっかけで降伏を受け入れ、敗戦を認めた。そんな日本のけがはひどく、見た目の割に年を食っているということもあり、一時は存在も危ぶまれていたほどだった。イタリアやドイツも、そんな彼のことをとても心配していたのだが、自分たちもあまり自由になる身の上ではない。そんな中でもたらされたこの知らせは、2人にとって喜び以外のなにものでもなかった。
    「今年のクリスマスは、いいことずくめだね!!日本の退院も決まったし、ぷ・・・」
    「イタリア!それはまだドイツには秘密だろ!!」
    イタリアが、アッと言って口を押さえる。ドイツは、2人の態度に疑問を覚えた。
    「どうしたんだ?さっきからおかしいぞ、イタリア?具合でも悪いのか?それに、イギリスも。」
    「い、いや?別になんでもねえよ?」
    「そ、そうだよ〜。おれ別にどっこも悪くないよ〜?」
    ドイツの問いかけに、2人は不自然に目をそらす。やはり、どこかおかしい。ドイツの疑問がさらに深まった。と、その時。窓の方に視線をやっていたイタリアが、いつもの様子からは信じられないようなすばやさで窓を開け、下へ向かって叫んだ。
    「プロイセン!何してるのさ、走っちゃだめだよ!!」
    プロイセン。ドイツにとって、その名前は忘れられない、忘れようもない、兄の名前だ。確か、けがで遠方の病院に入院しているのではなかったのだろうか?なぜ、彼の名が今ここで呼ばれるのか、ドイツには皆目見当がつかなかった。どういうことなんだと、イタリアとイギリスに尋ねようとしたが、2人はそれどころではないらしい。
    「んだと!?あのバカ走ってるのか!?」
    「すっごい全力疾走だよ〜!!ど、どうしよう!?」
    「ったく、まだけがが治りきっていねえってのに・・・!」
    苦々しげに言ったイギリスは、スーツの袖をめくり上げて病室の入り口に向かって立った。
    「ドイツ、とりあえずあとで事情は説明するからちょっと待ってくれ。とにかく、今はあいつを止めねえと・・・」
    そう言いながら彼がスーツ飲むなポケットから取り出したのは――金色に光る星が先端に付いた杖だった。それを見たドイツは目をむき、イタリアが悲鳴を上げる。
    「貴様、なんだそれは!」
    「ヴぇーー!!プロイセンになにするつもりなんだよ〜〜!!」
    「うおわっ・・・ちょ、離せこのバカ、別に何もしねえよっ!」
    近年まれにみる本気を出したイタリアがイギリスに飛びかかり、2人はじたばたと暴れる。
    「2人とも、病室で騒ぐな!!それにイギリス、何もしないならなぜそんな不可思議なものが出てくるんだ!?」
    「だーかーらーっ!!別にあいつ自体にはなんもしねえっっつってるだろーが!!」
    そうしている間にも、廊下をかけてくる足音と、「ヴェストおおおおおおーっ!!!」という大声が少しずつ近づいてくる。イギリスはなんとかイタリアを振り払い、ドアノブが回って声と足音の主――プロイセンが、
    「ヴェストーー!!小鳥のようにカッコイイお前のお兄様だぜえーー!!」
    と飛び込んでくるのとほぼ同時に
    「ほあた☆!!」
    と叫んで杖を振りかざした。
    すると、病室に駆け込んでくるプロイセンの体を、突如として現れた十数個のユニオンジャック――英国旗柄のクッションが受け止めた。と同時に、プロイセンを追いかけてきたらしいスペインが、襟をつかんでプロイセンの動きを封じる。
    「なにやってんねん、このおばかちん!!まだ肋骨1本くっついてへんのやろ!!」
    「わ、バカお前そんなんヴェストに聞かれたら――」
    「・・・なんだと?」
    プロイセンはあわててスペインの口をふさいだが時すでに遅く、ドイツの細くすがめられた目が、彼を捉えていた。

    「さて・・・。いったいどういうことなのか説明してもらおうか兄さん?」
    数分の後、ドイツの病室はとんでもない威圧感が充満し、重苦しすぎる雰囲気に包まれていた。イタリアなど、すっかり縮みあがってしまっている。
    ドイツの視線の先にはプロイセンが少し小さくなって椅子に座り、その後ろにはイギリス、スペイン、そして、スペインに遅れてやってきたフランスとオーストリアが座っていた。
    「おれは、貴方がけがで入院している、とは聞いていたが、肋骨を折っていたなどとはひとつも聞いていなかったぞ?」
    「あー、その、つまりだな・・・?お前に詳しい事情を説明しなかったのは・・・あれだ!ドクターストップがかかっててだな・・・。」
    「ドクターストップ、だと?」
    ドイツが首をかしげ、プロイセンの言ったことを肯定するようにオーストリアがうなづいた。
    「それは本当ですよ、ドイツ。貴方はけがよりも何よりも精神的苦痛による神経性胃腸炎がひどかったので、ひどく動揺させてしまうようなこと――例えば、このおバカの容態ですとかね――を教えるのはしばらく控えてほしいと、担当の先生から言われていたのです。」
    「そうそう。で、今日やっと、プロイセンがお前に合わせても大丈夫な程度には回復してきたから、こっちの病院に転院させてきたの。わかった?」
    フランスが言い聞かせるように言って、ドイツの眉間に寄せられていたしわが少し浅くなった。
    「そうだったのか・・・それで、具合の方はどうなんだ?兄さん。」
    「おうよ!もうすっかり元通りだ――」
    プロイセンが胸を張ってそう言った瞬間、後ろの4人が目を向いて叫んだ。
    「何あほなこと言うてんねん!!!」
    「何を言ってるんですか、このおバカさんが!!!!」
    「どこが元通りだ、どこが!!」
    「何言ってんのプロイセン!!」
    おそらく、ドイツの目がなければ誰かが手を出していてもおかしくない剣幕で怒鳴られ、プロイセンは身を縮めた。
    「そんなに怒鳴ることねーだろお!?肋骨折れてるったって、1本だけじゃねえか!!」
    「他にも鎖骨や左腕が折れていた上に、その肋骨が肺に突き刺さりかけていたのはどこの誰だと思っているんですか、このおバカさんが!!」
    「おまけに出血多量で輸血が必要になってたでしょ!!」
    「輸血したらしたで血が足りねえ騒ぎになって、オーストリア呼ぶはめになったのはお前だろうが!!」
    「しかもそのあと3カ月も意識不明だった上に、その左腕まだリハビリ中やんか!」
    「ちょ、ちょっと!ドイツの顔色が悪いよ〜!!」
    イタリアの悲鳴に近い声で、ドイツの顔を見やった5人は、自分たちの失態に気づいた。
    ドイツはすっかり血の気が引いていて、目は焦点が合わず、わなわなと手を震わせていたのだ。
    「お、おい、ヴェスト・・・?落ち着けって!!俺はもう大丈夫だから!な!?」
    プロイセンがあわてたように、うつむいてしまった顔を覗き込んで声をかける。と、ドイツの唇がかすかに動き、言葉を紡いだ。
    「・・・ない。」
    「ん?」
    「すまない・・・。」
    プロイセンがハッとしたように動きを止め、沈黙が室内を支配した。
    ドイツは、虚ろな目のまま続けた。
    「俺が、貴方に東部戦線への出向命令が出た時にもっと強硬に反対していれば・・・」
    「ヴェスト。」
    「上司が、貴方を巻き込むと言ったときも・・・」
    「ヴェスト、もう言うな。」
    「おれが、もっと強かったらこんなことには・・・」
    「もういい、ヴェスト。」
    「おれが・・・おれさえいなければにいさんは――」
    「それ以上言うんじゃねえっつってんだろ!!!」
    プロイセンの手が、ドイツを絡め取るようにして抱きしめ、言葉を封じた。
    「頼むから、それ以上、言ってくれるな。頼むから・・・。」
    ドイツの背中にまわされた、プロイセンの手が震えていた。ドイツの目から、つうっと涙が伝う。
    「戦場のけがは、全て己の責任だ。昔、そう教えたろ?」
    幼子をなだめるように、プロイセンはドイツの目を見て言った。
    「でも、でも・・・。」
    「大丈夫だ。利き手が使えねえからな、多少不便はあるが、リハビリ次第でなんとでもなる。それに、鎖骨も肋骨も人体の中じゃ折れやすい骨だからすぐ折れんだって言っただろ?このくらい、屁でもねえよ。」
    そう言ったプロイセンはドイツをもう一度抱きしめると、ポンポンと優しく背中をたたいた。
    「それとな。俺は、お前を守るために、生まれてきたんだよ。兄貴が弟を守んのは、義務であり責任だ。俺は、俺の義務を果たしたまでだ。お前が責任を感じることじゃねえよ・・・だから、自分がいなければなんて・・・そんなこと、二度と言うな。」
    「・・・ja」
    「よし、いい子だ。」
    プロイセンはニカッと笑って、ドイツの頭をなでた。
    「でも、ごめんな。心配かけて・・・。さっきも言ったけど、今日から俺、こっちの病院に転院してきたし、病室も頼んで隣同士にしてもらったからよ。これからは、そばにいてやるからな!」
    「ああ・・・ありがとう。」
    ドイツは涙をふいて、プロイセンを見つめると、嬉しそうに――それは、思わずフランスやイギリスが目を疑うほど――優しそうにほほ笑んで、言った。
    「兄さん。」
    「なんだ、ヴェスト?」
    「おかえり、兄さん。」
    それを聞いたプロイセンも、花がほころぶように破顔した。

    「ああ――ただいま!!」




       ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    以上、第3章でした〜!いやあ、後半ドイツさんがすごい勢いで鬱になっていった時はちょっとあせりました。まさか、兄さんの状態を聞いてあそこまで落ちていっちゃうとは思わなくて・・・・なんとか連れ戻してくれたにーさんに感謝です・・・。まあ、そのあとこれ腐向けかよってほどブラコンな兄弟ができあがっちまいましたけどね(笑)。
    注意書きにも書きましたけど、これは腐向けのお話ではありません。脳内妄想は好きにしてくれちゃって構いませんけどね^^。ちなみに、にーさんの左腕はきちんと完治しますのでご安心を。それから、イタちゃんが言っていた「とっておきのプレゼント」とは、もちろんにーさんのことです。

    この時点で、にーさんは自分が『東』になること、ろっさまとともに行かなければならないを知っています。にーさんが、ろっさまに出した条件が、弟が回復するまで待ってほしい、そして、すべては自分の口から伝えさせてほしい、それだけでした。ちなみに、この時点で枢軸メンバーはにーさんがそういう身の上であることを知りません。そこはかとなく気づいている人はいるかもしれませんけどね。

    さあて、次回からはとんでもない鬱展開が始まりますよ!!皆さん準備はいいですか!?もう3章の時点でギブアップな方は、一応3月までお待ちください。3月からは、もう1本のコメディタッチの連作、「W小学校職員室日誌」をスタートさせる予定ですので!

    では、第4章をお待ちください。

    ぶ、文明の利器なんか嫌いだああ!!!

    • 2012.02.08 Wednesday
    • 23:40
     本日、パソコンが新しくなりました。
    いやあ、とりあえず最新モデルのを買ってもらえたので、起動は早いわ固まらないわでかなりいいんですが、メカ音痴ゆえにスペック高すぎてむしろ使いにくい!!!これだから文明の利器なんて嫌いなんだ!!!

    ・・・・・・なーんてことも言ってらんないので、ガンガン使って早いとこ慣れたいですね。連作の執筆もありますし。

    ということで、連作の執筆にかかりまーす!

    東と西の兄弟 第1部 第2章 覚醒

    • 2012.02.04 Saturday
    • 21:31
    先日で、通常登校日が終わりました。ついに、待ちに待った家庭学習期間です。ガンガン更新しますよ〜〜!
    それから、大学の方から入寮の書類が届きました。規則を見たら、思ってたより厳しくてびっくりしています。まさか、部屋でネットにつなげないなんて・・・・!! 

    さあて、いよいよ第2章です。ご覧になったと思いますが、第2章からは、各部のタイトルを省略させていただきます。
    今回から、本格的に俺設定が火をふいて行きますよ〜!!
    てなわけで以下注意書き〜。

    ・ヘタリア二次創作

    ・腐向けではありません。

    ・史実が絡みますが、うp主の妄想もがっちり絡みます。ご了承ください。

    ・東西設定を使用しています。

    OKですか?では、物語をお楽しみください。





         東と西の兄弟 第1部 第2章 覚醒

     プロイセンは、不意に覚醒した。視界に白い天井が映る。体を動かそうとしたが、うまく力が入らない上に、何やら異様に動きづらい。自由に動く視線だけを動かして己の体を見れば、左腕はギプスで固定され、右腕には点滴の針が刺さっていた。おまけに、どうやら首までギプスで固定されているようだ。
     ついで周囲を確認すると、広々とした部屋には、太陽の光がさんさんと降り注いでいた。ベッドの横の小机には、ケンタウレアが活けられた花瓶、よく熟れたトマト、気に入りの銘柄のビール、そしてなぜかハンバーガーと、何やら消しズミのような謎の物体が置かれていた。敗戦の色が濃くなっていたこの国に、こんなきれいな病院があったのだろうか?それに体が感じている外気温は、自国のものより高い。どうやら自分は、国外にいるようだ。
    「・・・ここは、どこだ?」
    こぼれたひとりごとは、自分のものとは思えないほど弱々しく、それに驚いたプロイセンがもう一度声を出そうとした時、外から声が近付いてきた。
    「やっぱり、あいつはもう・・・・・・」
    「何言うてんねん、フランス!あいつが死ぬわけなんかあらへんやんか!おれらが気落ちしたら、治るもんも治らへんで!今日あたり、目え覚ましてるかもしれへんやろ―――」
    声はどんどん近付いてきて、ガチャリとこの部屋のドアが開く音がした。そちらへ視線をやれば、もう、ここ数年会っていない悪友2人――フランスとスペインが部屋に入ってこようとした姿勢のままで固まっていた。
    「・・・よお。久しぶりだな。」
    2人が黙ったまま何も言おうとしないので、プロイセンの方から声をかけたが、出した声はまたも信じられないほど弱々しかった。
    「ぷ、プロイセン・・・?」
    「目、覚めたんか・・・・・・?」
    信じられない、とでも言うようにこちらに近づいてくる2人にうなづいてやると、2人ともあわてたように顔を見合わせた。
    「すすすす、スペイン!ちょっとジョルジュ先生呼んで来て!あとそれから、アメリカとイギリスに電話して、大至急!!!」
    「お、おう!!」
    スペインはあっという間に部屋から駈け出していき、フランスは小机の横に置いてある椅子に座り、プロイセンの顔を覗き込んだ。
    「ほんとのほんとに、目が覚めたのか、プロイセン?おれ、誰だかわかる?」
    「・・・うるせえもうボケたのかこの髭。」
    その返答に、フランスは安心したように息をついた。
    「改めて聞くけど、気分は?水飲むか?」
    「いらねえ・・・気分は・・・正直、最悪。声出ねえし、体動かねえし。」
    「はは、そりゃ当り前だ。お前、一応肋骨2本折れてて1本ひび入ってるからな。」
    「それだけじゃねえだろ、この状態・・・。」
    「プラス、右の鎖骨骨折と右太ももの裂傷だな。あとは重度一歩手前の栄養失調ってとこか。左腕の方はもっと前から折れてたってよ。放置されてたから悪化してたぜ。ついでに言えば、お前発見された時出血多量で輸血する騒ぎになったんだぞ。」
    「マジかよ・・・。あ、なあおい、ここってどこ―――」
    と、プロイセンが言いかけた時、開いたままだったドアから誰かが飛び込んできた。よく見れば、昔なじみで、今回の戦いを同じ陣営で戦っていたハンガリーである。ここまで走ってきたのか、肩で息を切らし、手には花束を持っていた。
    「ハンガリー?お前どうして―――」
    「・・・・・・・・・・・・・・この、バカッ!!!」
    プロイセンがいぶかしげに問いかけたその時、目の前が突然色とりどりの花で埋まった。口の中に、容赦なく花弁が入ってきて、二度三度とそれが繰り返される。ハンガリーに花束で殴られているのだとわかったのは、フランスがあわてて彼女を羽交い絞めしてその行為をやめさせようとした時だった。
    「ちょ、ハンガリー!落ち着いてって、こいついちおう病人・・・!」
    「うるさい、はなせ!こっちが、こっちがどんなに心配してたってのに・・・このおたんこなす!!」
    徐々に花束を振り下ろしていた手が止まり、ハンガリーの頬には涙が幾筋もつたっていた。それを見てしまえば、止めていたフランスも、殴られっぱなしで目を白黒させていたプロイセンも、もう何も言えなくなってしまった。
    そのとき、医師を呼びに行っていたスペインともう一人――敵対しているはずのイギリスが、部屋に入ってきた。
    「いやあ、先生呼びに行ってたらな、そこでちょ〜どイギリスとハンガリーちゃんに会うたんよ。」
    あいかわらずのんびりとスペインは言い、イギリスは信じられないとでも言いたげにプロイセンを見つめていた。が、次第に手がわなわなと震え始め、ついにはいきなり怒鳴った。
    「てめえヨーロッパ中に喧嘩売りやがって、ちったああとのこと考えろこのバカ!!」
    「な、なんだとこの元ヤン!!好きでそうしたわけじゃ・・・っ!!」
    条件反射で怒鳴り返してしまったプロイセンは、、胸に走った激痛にうめいた。
    「ああもう、なにしとんねんなイギリス!」
    「すまん、ついうっかり・・・。」
    「ったく、これだから元ヤンはいやなんだよねえ・・・大丈夫か、プロイセン?」
    「肋骨折れてんのに怒鳴るからよ、しょうがないわねえ!」
    背中をさすられたり、ゆっくり水を飲んだりしていると、スペインが呼んできた医師らしき人がやってきた。

    「――意識も戻りましたし、脈拍や血圧も異常なしですから、もう大丈夫でしょう。けがの方は、食事がきちんと口から取れるようになれば治りますね。」
    フランスが自国から連れてきたというジョルジュ医師は、プロイセンの顔を見て、安心させるようににっこりと笑って言った。
    「けがとかいろいろやばいけど、後遺症とかそういうのはない?」
    フランスが、本人よりも深刻そうな表情で尋ねる。
    「まあ肋骨が肺に突き刺さりかけてましたけど、肋骨も鎖骨も、骨の中では折れやすいですからね。それほど心配することはないですよ。右太ももの方も、出血のわりに大したことなかったですし。強いて言うなら、左腕の骨折は何日か放置されてたせいか悪化してたので、治るのにちょっと時間がかかりますけれど、リハビリ次第で元のように動くようになりますよ。とりあえず、今は安静にして、しっかり食べて、体力をつけてください。さっきみたいに、病室で大騒ぎするのは避けてくださいね?」
    ジョルジュはそうしっかり釘をさしてから、病室をあとにした。
    フランスが大きく息をつく。
    「よかった・・・おにいさんお前になんかあったら、ドイツになんて言ったらいいのかわかんなかったよ。」
     ドイツ。その言葉で、よくわからない展開に少しとまどっていたプロイセンの記憶が揺り起こされた。
    「おい、ヴェストは!?ヴェストは、今どうしてんだ?あいつは今、どこにいるんだよ!?」
    「うお!?ちょ、ちょお落ち着きい、プロイセン!!」
    「さっき安静にしろって言われたばっかだろうが!」
    じたじたと暴れ出したプロイセンをイギリスとスペインが抑えるが、それどころではない。
    「これが落ち着いてられるかってんだ!あいつ、入院してんのか!?あ、もしかして、あいつもここにいんのか!?」
    「ああもう、落ち着きなさいってば!」
    「わかった、わかったから落ち着いてプロイセン!ちゃんと話す、話すから!ここがどこで、あいつが今どうしてんのかも!!」
    そう言われてやっと落ち着いたプロイセンは、ようやくおとなしくベッドに横になった。フランスは、イギリスと隣り合ってベッドサイドのいすに座ると、静かに話し始めた。
    「まず、お前に行っておかなきゃならないことが2つある。プロイセン、今日が何月何日かわかる?」
    「はあ?5月くらいじゃねえのか?」
    「今日は、8月20日だ。お前を、おれたちが見つけたのが5月2日。お前、3ヶ月間ずっと眠ってたんだ」
    「はあ!?うそだろ!?」
    「これが証拠や。」と、スペインが壁にかかっていたらしい日めくりカレンダーを見せてくる。それにははっきりと、「1945.8.20」と表示してあった。これでは、信じざるを得ない。プロイセンは、視線で先を促した。
    「もう1つは・・・本当に言いにくいんだが・・・『ドイツ』は――」
    言いにくそうに詰まったフランスの言葉の続きを、プロイセンはさらりと口にした。
    「負けたんだろ、俺ら。」
    プロイセン以外の全員が、ハッとしたように彼の顔を見た。
    「お前、知ってたのか・・・?」
    イギリスの言葉に、プロイセンは自嘲的に笑って言った。
    「装備もねえ、食料もねえ、資金もねえ、おまけに連日の空爆で国内はボロボロ、死傷者は増えるばっかりのあの状態で勝てた方が、むしろおかしいだろうが。予想はしてた。」
    「じゃあ、話は早いな。降伏してすぐにドイツが倒れて、そんときにお前と連絡がつかない、生死も不明だって言ったんだよ。お前が4月の27日に、ベルリンに来てたことはわかったんだが行方が分からなくてな」
    「なんだと・・・っ!?」
    プロイセンが目を向いた。
    「だから落ち着きなさい!あの子は大丈夫だから!!」
    ハンガリーがとりなし、フランスはさらに続けた。
    「・・・ドイツは、外傷もひどかったんだけどなにより精神やられててな。ストレスが全部内臓にきてて、普通のやつなら胃を取らなきゃならないほど、炎症を起こしてた。とりあえず、今はエルザスの教会附属病院に入院させてる。」
    フランスの説明によれば、そこは病気やけがの治療だけでなく、精神的なケアもしてくれる病院なのだという。それを聞いて、プロイセンはほおっと大きく息をついた。
    「それなら、いい。続けてくれ。」
    その言葉に、今度はイギリスが話し始めた。
    「・・・さっきも言ったが、おれとフランス、それからアメリカがお前を見つけたのは5月2日。総統官邸に資料押収に行った時、官邸裏の道の瓦礫の中から意識不明のお前を見つけたんだ。」
    「あわてて司令部に運んで医療チームに引き渡して、緊急手術してもらって・・・あ、そうそう、輸血中に血が足りなくなったから、途中でオーストリア呼んで献血してもらったんだ。あとで礼言っておけよ。」
    「本来ならドイツを呼ぶところなんだけど、あの子はそれどころじゃなかったし・・・。」
    「マジかよ・・・。」
    プロイセンはげんなりした顔をした。腐れ縁な彼と次に顔を合わせたら、たっぷり小一時間は説教を喰らう展開になるだろう。
    「そこから先は・・・まあ大変だったんだ。司令部の一室をお前の病室にしてたんだが、昼と言わず夜と言わず妙な気起こした兵が入りこんでな。」
    プロイセンは敗戦国『ドイツ』の兄であり、なおかつその軍国主義が『ドイツ』を今回の凶行に走らせたと思われ、それを恨みに思っている連合軍の兵士たちが、あるときは拳銃を、あるときはナイフを、挙句の果てには手榴弾を持って、彼を亡きものにしようと企て、実行しようとしたというのだ。
    このままでは、意識が戻る前にプロイセンが殺されてしまいかけない。そう思ったフランスたちは、彼を内密に他国へ連れて行き、そこで療養させることにしたのだそうだ。
    「候補地を探すのがまた大変だったんだ。おれんちもイギリスの家も、言っちゃあなんだがお前のこと恨んでる人間多いし、アメリカは遠すぎるし、かといって中立国になってるスイスは空気はいいけど寒すぎるし・・・。」
    「そんなら、おれんちならええんちゃうってなったんや。ゲルニカの方はあかんけど、地方なら大丈夫やないかってな。」
    スペインがニカッと笑って言った。
    「じゃ、ここはお前んちなのか?」
    「そやで〜。ピレネーの麓に作っといた別荘なんや。んで、さっきお前を診てくれたんが、フランスが連れてきたお医者のジョルジュ先生。こいつが仲良うしてるお医者さんで、口が堅いんでフランスが頼みこんでくれたんよ。」
    プロイセンがここにいることを知っているのはここにいる全員と、イタリア、オーストリア、アメリカなど、『国家』を中心としたわずかな人数で、上司にはプロイセンがどこにいるのかは言っていないらしい。
    「ところで、なんでハンガリーがこっち来れてんだよ。お前も・・・負けたんじゃねえのか?」
    「特例措置ってやつ。内々にあんたが目を覚まさないから、連合側の『国家』に付いてきてもらえば、こっちに来てもいいことになってんの。そのうち、イタちゃんやオーストリアさんも来ると思うわよ。」
    「そうか・・・。」
    ようやく納得のいったような表情になったプロイセンに、フランスが言った。
    「それから、ドイツにはまだ・・・お前の詳しいことを言ってない。ドクターストップがかかってるんだ。あいつの精神状態が落ち着くまで、あいつが動揺するようなことを言うのは避けてくれってな。だから、ドイツには、お前は見つかったことは伝えたけど、体調が万全になるまでは会えないって言ってある。」
    「・・・Danke。面倒かけてすまなかったな。」
    プロイセンの言葉に、ベッドサイドの面々は首を振った。
    「気にすんなって。おれらがしたいことしただけだし?礼言われるほどのことじゃないよ。」
    「べ、別にお前のためなんかじゃないんだからな!お前がぶっ倒れるとドイツもぶっ倒れるし、そうするとあいつの仕事をおれたちが負担することになって面倒なことになるから助けてやっただけで・・・とにかく、お前のためじゃなくておれのためなんだからな!!」
    「とにかく、お前が無事でよかったわあ〜。」
    「ほんと・・・心配させんじゃないわよ。」
    病室は優しい雰囲気に包まれた。
    「ところで・・・プロイセン。お前が、東部戦線からベルリンへ戻ってきたのって、もしかしなくてもあの上司に会うため?」
    ふいに、フランスが尋ねた。その瞳は、恐ろしいほど真剣だった。
    「・・・ああ。焼土作戦の停止を求めにな。だが、挙句このザマだ。ヴェストにも心配かけちまったしよ・・・。」
    答えたプロイセンも、真剣であり、その表情は、かつてヨーロッパを震撼させた軍国のものとは違い、『弟』を心配する『兄』そのものだった。
    「そないに気にしたらあかんで、プーちゃん。あいつは、お前がそんなけがせえへんでも、おんなじように心配すると思うで?」
    「そうね、あの子は優しい子だもの。」
    「お前が今やるべきことは、少しでも早くけが治して、あいつに会ってやることだな。」
    皆の言葉に、プロイセンは嬉しそうに笑った。
    「ああ、そうだな・・・!」

    ――その直後、プロイセンはすぐにでも退院してドイツのもとに行くと言い張り、フランスたちからさんざん説教されたのは言うまでもない。


       ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    なんか後半のグダグダ感が否めない〜〜〜!!ああもっと筆力が欲しい〜〜〜!!!
    というわけで第2話でした。いかがでしたでしょうか?
    さて、完全なる俺設定ですが、にーさんが意識を取り戻すのを待って行われた連合国の会議で、ドイツの東西分断統治、そして、『東』の定義として、にーさんの身柄が要求されたのはこの直後のことです。プロイセンの容態や、ドイツの精神安定を心配するメリカたちは反対しましたが、相手は『譲歩なんてサービス』がない、あのろっさまですからね・・・。結果は推して知るべしです。そして、ある条件を出して、にーさんはその要求を聞き入れます。

    次回はなんと、10カ月早いクリスマスもので、兄弟の再会です。いや、ほんとは昨年のクリスマスにうpしたかったのですが、どーーーしても、前段階として「瓦礫〜」と今回の「覚醒」を入れたかったので今時分となりました。後悔は・・・していないはずです!!

    では、次回をお楽しみに。

    おにいさんの活躍、見てくれた?ということでお返事です。

    • 2012.02.03 Friday
    • 23:08
     タイトルは、連作第1話でいいとこを見せてくれた世界のおにいさんで。第1部は、よく考えると結構悪友関係の皆様が活躍しますので、芋のほかにもそっちも好きだ!!という皆様はお楽しみに。

    続きから、kyassabaさんへのおへんじです。




    >kyassabaさん
    コメント、ありがとうございます!
    フルブラも読んでくれたのですか!あれは、友人と2人で薄い本の読書会(←オイ)をしていた時に突発的に思いついた話でして。不憫トリオを思いっきりカッコよく活躍させた後に、思いっきり不憫なめにあう話が書きたいなあ、と思って書き始めたものなんです。入試準備のためのパソ禁直前だったので、時間との戦いだったのを記憶してます・・・。
    私も兄領なので、にーさんのアクションは書いていてとても楽しかったですよ〜^^。特に、窓をぶち破ってくるシーンは真っ先に思いついたもので、結構気に入っています。

    今回の連作では、しょっぱなからにーさん意識不明!?というスタートですが、それも含めて、これからの芋兄弟にとって大事なポイントになってくるとこなんですよね、私の中で。フルブラ2話でも書きましたが、今回のことは√の盛大なトラウマになってますから。
    でもその分、今回の連作のラストは盛大なハッピーエンドにするつもりですので、良ければ彼らの今後を見守ってあげてください^^。とりあえず、にーさんの容態がわかる2話をお楽しみに。

    またのお越しをお待ちしています。

    東と西の兄弟 第1部 2人のオワリ、1人のハジマリ  第1章 瓦礫の街で

    • 2012.01.28 Saturday
    • 22:07

    さあ、いよいよ満を持して始まりました、今年の連作です。
    今回の連作の舞台は、1945年5月〜1990年10月です。つまり、ドイツのWW2敗戦から、東西ドイツ統一までの物語、ということになります。
    今日から始まる第1部は、敗戦直後の兄弟や彼らをめぐる人々(国々?)のお話です。

    以下、注意書きです。最初のお話なので、この連作を通しての注意書きとなりますので、結構長くなるかもですが、史実ががっちり絡んでくるので、よく目を通しておいてください。

    ・この物語はヘタリア2次創作です。

    ・東西設定を使用しています。

    ・腐向けではありません。

    ・史実ががっちり絡んできますが、作者の妄想もがっちり入ってます。きちんと調べた上で書いていますが、解釈その他いろいろ違うかもしれません。そこらへんはご了承ください。

    ・『国家(ヘタキャラ)』の意志≠上司の意志なキャラが結構出ます。

    ・人名と国名が混在する場合があります。苦手な方はご注意ください。

    ・芋兄弟が時折鬱になったりします。苦手な方はご注意ください。

    ・流血表現など、暴力的な描写があるかもしれません。苦手な方はご注意ください。

    ・ww2時のドイツの思想や、東独について言及したりするシーンがありますが、誹謗中傷や政治的意図はいっさいございません。ご了承ください。

    ・誹謗中傷コメ等は絶対にしないで下さい。


    とりあえず、今はこのくらいで。必要であれば適宜付け加えていきます。



      東と西の兄弟 第1部 2人のオワリ、1人のハジマリ
           第1章 瓦礫の街で





     

    1945年、5月。指導者、アドルフ・ヒトラーを失ったドイツは、アメリカをはじめとする連合国軍に降伏した。

     

    瓦礫だらけのベルリンの街を、アメリカ、イギリス、フランスを乗せた軍用ジープが走っていた。

    本来、「国家」の化身である彼らは、軍用ジープなどには乗りはしない。だが、いつも彼らが乗っているような車――俗に言う高級車、というやつだ――では、到底走れそうになかったため、この車になったのだ。そうしなければならないほど、ベルリンの街は破壊されていた。

    彼らが向かっているのは総統官邸。そこにある書類の押収が、今日の仕事だった。といっても、この街の様子では、資料と言ってもろくなものが残っていないだろう、ということは火を見るより明らかだった。

    「まだ着かないのかい?おれもうアイス食べ終わっちゃったんだぞ!!」

    「おまえなあ、これから仕事だってのにそんなもん食ってんじゃねえよ!まったく、これだからガキは困るんだよなあ・・・。」

    「うるさいんだぞイギリス!ヒーローにアイスは不可欠なんだよ!!」

    「おまえ、ちったあ我慢てもんを覚えろよ!」

    ぶすくれるアメリカを叱りながら、イギリスは痛くなり始めた腰をさすった。

    降伏したとはいえ、ここは敵国の首都。連合軍をよく思わない国民や、ドイツ軍の残党などの襲撃をさけるため、ジープはけっこう遠回りをしている。乗り心地の悪いジープに長時間ゆられていれば、腰も痛くなるし、アメリカの文句にも一理ある、と言えなくもない。

     そのとき、イギリスは隣に座るフランスに目をやった。

     普段であれば、真っ先に乗り心地の悪さに対して長々と文句を垂れているはずのこの男が、さっきから――いや、連合軍ドイツ司令部を出発してからなにもしゃべっていない。自分たちが乗っているジープの荷台にはられた天幕の隙間から、食い入るように外を見ている。

    「フランス。」

    「・・・・・・・・」

    「フランス?」

    「・・・・・・・・・・・・・・・・」

    「・・・おい聞いてんのか髭!!」

    「・・・ああ、悪い。なんだ、イギリス?」

    やっとこちらを向いたフランスの目の下には隈が出来ており、目も真っ赤に充血していた。いつもなら、「なんだとこの元ヤン!!おにいさん本気で怒ったよ!」とかなんとか言ってくるはずなのに、反応も鈍い。

    こりゃ重症だな、とイギリスは心の中でつぶやいた。

    無理もないのかもしれない。フランスは、彼とは仲がいい方で、なんだかんだでつるんでいたのだから。

    自分だって、話を聞いた時には驚いたのだ。

     

    彼が――プロイセンが、ドイツを残して行方不明になっているだなんて。

     

     

    話は、数日前にさかのぼる。

     

     

    「それでは、ドイツの無条件降伏を受け入れる。たった今から、この国はおれたちの支配下に入ってもらう。いいね、ドイツ?」

    ドイツのサインが入った降伏証明書を受け取りながら、アメリカが確認した。いや、確認と言うより、それは宣言のようだった。

    ドイツは、何も言わず、こくりとうなづいた。彼は満身創痍で、いくら「国家」が常人より丈夫だからといっても、立って歩いているのがむしろ不気味に思えるくらいの状態だった。もちろん、3人ともドイツにまず、きちんと治療を受けさせ、療養させようとしたのだ。だが、ドイツはそれを頑として拒んだ。

    「負けたのなら、それによって生じる雑務がある。それを放棄することはできない。」と言って、実際そのとおり、彼は敗戦処理の雑務を完璧にこなした。

    しかし、それも今日、この降伏証明書が出たことで、ようやくひと段落したのだ。

    「なあ、ドイツ。君、病院へ行った方がいいんだぞ。どうみたって、君は重症だよ?ほんとは、そうやって立ってるのも辛いんじゃないのかい?」

    「・・・たいしたことは、ない。」

    「うそつくんじゃねえよ。今のお前に必要なのは適切な治療だ。幸いっつったらあれだが、お前の仕事はもうないのと同じだ。今から病院行くぞ。たぶん入院とかになるだろうから、荷物まとめてこい。なんだったら、おれたちも手伝ってやる。」

    「わかった・・・では、荷物をまとめてくる。」

    そう言って部屋を出て行こうとしたドイツを、「ちょっと待てよ!」と呼びとめた者がいた。フランスだ。

    「あのさ、おれこっちに来てお前に会ってからずっと気になってたんだけど――お前の兄貴、どうしたんだよ?」

    イギリスもアメリカもはっとした。

    そういえば、ドイツの兄、プロイセンの姿をこっちに来てから見かけていない。というより、弟がこんな状態なのに、あのプロイセンがそばについていないこと自体が、とても不自然なことに、ようやく2人は気づいた。

    「なあ、ドイツ。プロイセンは、今、どこにいるんだ?てか、お前がその状態なのに、プロイセンなんも言ってこないの?あいつの性格だったら、お前の仕事全部肩代わりとかしそうなもんなのに。」

    フランスの問いかけに、ドイツはゆるゆるとうつむきがちな顔をあげた。うつろな青い瞳がこちらを向き、唇がかすかに動いた。

    「・・・ない。」

    「はあ?聞こえない、なんて言っ――」

    「わから、ないんだ・・・」

    はっきりと発せられたその言葉に、3人は目を見開いた。

    「ど、どういうことだよ、それ・・・。」

    「・・・兄さんは、去年の暮れに、東部戦線に送られて、なかなか連絡がつかなくなって・・・今、どこでなにをしているのか・・・生きているのか、死んでいるのかすら・・・わから、ない、んだ・・・。」

    そう言い終えた瞬間、ドイツはその場に崩れ落ちた。まるで、操り人形の糸が切れたかのように。


     

    ドイツは、外傷もさることながら、精神的苦痛によるストレスによって引き起こされたと見られる胃炎が一番ひどかった。おそらく、上司の仕打ちや、悲惨極まりない東部戦線に行った兄の身を心配し続けていたせいだろう。『国家』でなければ、胃を切除してもおかしくないほどの状態だった。

    ドイツを入院させた3人は、すぐさまプロイセンの足取りを追った。

    そうして分かったのは、焼土作戦決行と同時に弟が倒れたとの報告を受けた彼は、すぐさま相手をしていた敵軍の主力部隊を壊滅させると、戦線を離れベルリンへ向かったこと。

    そして――ベルリンへ来て真っ先に、総統官邸に足を向けたこと。それだけだった。

     

    彼が何をしようとしたのか、想像するのはたやすいことだ。何よりプロイセンは、その身の全てを弟のドイツに捧げていたのだから。

    おそらく、焼土作戦の停止を求めに言ったのだろう。

    そうしようとした彼が、どうなったのか。

    それを想像するのも、難しいことではない。

     

     

    ジープは、総統官邸の裏にさしかかった。

    もうすぐこの腰の痛みから解放されると思えば、すこし気も楽になる。

    と、そのとき。

    「―――ちょっと止めろ!!」

    フランスが声をあげる。急ブレーキがかかるのと、フランスが天幕をめくり上げて道路に飛び出すのがほぼ同時だった。

    「ちょ、おい、フランス!?」

    「なんなんだいいったい!?」

    荷台から身を乗り出したイギリスと、バランスを崩したアメリカの声にこたえず、フランスは瓦礫の中から何かを引きずり出した。

    紺青の軍服、銀の短髪をした青年が、そこに引き出された。

    「プロイセン!?」

    思わず、イギリスは声をあげた。

    「プロイセン、プロイセン!しっかりしろ!おいってば!!」

    フランスはバシバシとプロイセンの頬を叩いている。どうやら意識がないようだ。

    イギリスもあわててジープから飛び降り、二人の元に駆け寄る。アメリカもあとから続いたのが、気配でわかった。

    間近でプロイセンを見たイギリスは、言葉を失った。

    そこに横たわった青年は、プロイセンであってプロイセンでないように思えたからだ。

    イギリスの知るプロイセンは、プライドが高く、居丈高で傲慢で、「お前その自信どっから来るんだよ?」と言いたいほど(実際、かつて共に戦った時には言った)俺様で、それらが全身からあふれ出ているような、今、自分の隣で同じように言葉を失っているアメリカと、ある意味同じように、生気に満ちたヤツだった。

    しかし、今目の前にいるプロイセンは、血の気がなく、ただでさえ色の白い顔をさらに白くし、かつて、戦場で見るものを恐怖に叩きこんだ真紅の瞳をもつ目は閉じられ、そしてなにより――まとっている軍服は、色のせいでわかりにくいが、大量の血液にまみれていた。

    「・・・弱いけど、まだ脈がある。急いで運べば、助かるかも・・・」

    手首にふれていたフランスが、やっと顔をあげてこちらを見た。その瞳は、どうする?とは聞いていなかった。

    イギリスは、軽くため息をついて胸元の無線のスイッチを入れた。

    「こちらカークランド!ベルリン総統府裏で、行方不明だったドイツ陸軍東部戦線指揮官のギルベルト・バイルシュミット特務士官を発見、なんらかの理由で重体になっている。おそらく緊急手術が必要だ、医務班は受け入れ態勢を整えていてくれ!」

    口早にそう告げると、イギリスはアメリカを振りかえった。

    「アメリカ、悪いが――」

    「書類の押収は、明日にしようじゃないか。」

    「アメリカ・・・。」

    フランスがアメリカを見つめる。アメリカもうなづく。

    「今は、彼を助けることが先決だ。急ごう。」

    言うなり、アメリカはジープにかけ戻り、運転席に何事かを伝え始めた。予定変更を伝えているのだろう。

    フランスが、プロイセンを横抱きに抱きあげた。引き返してきたジープに乗りこみ、もと来た道を走る。

     

    「なあ、フランス。」

    「なんだよ?」

    「こいつさ、お前に『お姫様抱っこ』されたって聞いたら、なんて言うだろな?」

    「・・・決まってんだろ、んなこと。『俺様がそんな無様なことするかよ!!』って全力否定だな。」

    「言ってやろうぜ、こいつが起きたら。」

    「そりゃいいねえ、おにいさん乗ったよ。できたら、ドイツの目の前で言ってみるか?どんな顔で否定するのか、見ものだな。」

    「だな。」

    帰る道中、そんな話をした。横たわった、まるで死人のような、フランスにとっての悪友、イギリスにとっての昔なじみの存在を挟んで。

     

    自分たちの方がよっぽど、血の気の失せた顔をして――。

     


       −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
    東の西の兄弟、第1話でした。新春特別座談会でメリカがいろいろ暴露しそうになるんで大変でしたよ〜。

    この作品自体を書いたのは、今からちょうど1年前です。読んでいた作品で、芋兄弟の上司は終戦間際、焼土作戦の指示を出していた、ということを聞いて突発的に書きあげたものでした。
    焼土作戦は、言ってしまえば自分で自分たちの領土に火を放って、相手の侵攻を遅らせたり、あるいは物資や兵器などを敵に利用されないようにする作戦です。国土に火を放つのですから、おそらく、√にとってかなりのダメージになるだろうと思います。
    実際、どんな意図があって彼がこの作戦の決行を命令したのかはわかりませんが、この作品では、「自分の思うままの国を作ろうとしたが、それに失敗して『国家』のことを見捨てた』ため、焼土作戦を命令した、ということにしました。

    それから、この連作では国名と人名が混在していますが、人名の扱いはいわゆる『便宜上の名前』、というやつです。彼らが例えば銀行で口座を作ったり、職場の名簿みたいなものに名前を載せたりとかする時に、この人名を使います。ですから、今回の話で言えば、にーさんの職場での肩書は『ドイツ陸軍特務士官 ギルベルト・バイルシュミット』なわけです。もちろん、職場の部下とか家の近所の人とか、近しい人は彼らの正体を知っていますけどね。ちなみに、各国政府の上層部では、この人名はある種の暗号みたいな扱いをされています。
    しょっぱなから、オレ設定が火をふいております。実にすみません。

    さて、瀕死の重傷を負ったにーさんはいったいどうなってしまうのか!?次回までお待ちください。

    降れる白雪、そしておしらせ

    • 2012.01.20 Friday
    • 23:15
     東京でも初雪が観測されました今日、コノハの住む関東平野の端っこでも初雪が降りました。
    昔から私は雪が大好きで、むちゃくちゃテンションが跳ね上がるんですが、今日も朝起きて窓の外を見て、車庫の屋根が白くなっていたのを見て「うおっひょお!!」となりました。
    午後からは雨になって溶けてしまいましたが、今日は早めに学校に行ったので、窓から降ってくる雪をずっと眺めてました。ほんとは、来週からの学年末試験の勉強をする予定だったんですけどね。

    さて、では近況はこのくらいにして、大事なおしらせをしてしまいたいと思います。
    来週の土曜日から開始する「東と西の兄弟」を書く上で、史実を調べていたところ、以前書いた
    「Fullblast Action!!in Berlin」の第2話「ブラザー・スピリッツ」の内容を間違えて書いていたことがわかりましたので、訂正させていただきます。

    訂正個所は一か所で、ドイツの回想シーンの中の言葉です。

    (訂正前)国会議事堂近く

    という言葉が、

    (訂正後)総統官邸裏

    となります。ご面倒をおかけしまして、すみませんでした。

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